卒業


今日は勤務先のインターナショナルスクールの卒業式でした。
今まで小学生や中学生を受け持つことがほとんどだったので、そんな強い思い入れもなかったんだけど、今年は、去年教えた生徒が卒業するとあって、「晴れ舞台を見に行かねば!」と行ってまいりました。


うちのインターはとても小さい学校なので、今年の卒業生は15名ほど。
とてもこじんまりとしている分、生徒同士、また先生と生徒の結びつきも強くて、それがよく伝わってくるいい卒業式でした。




思えば私も10年前、今は勤務先である母校を卒業したのです。
もう10年・・・。


そして5年前、その母校に今度は教師として戻ってきました。


この5年間、本当にいろんなことがありました。
ずっと日本語教師になりたいと思っていたとはいえ、実際教え始めてみると、楽しいことばかりではありませんでした。


納得のいく授業ができなかったり、生徒と上手くコミュニケーションが取れなかったり、保護者の方々の厳しい指摘に凹んだり、授業以外の学校での仕事にまいってしまったり。


自分は教師に向いていない。
こんなしんどい仕事、もう嫌だ。


何度そう思ったことか・・・。


それでも、なんとかここまで来ました。
そしてあと2週間で、私はこの職場を離れます。


「もうこれで終わりなんだ」
と思うと、いろんなことが美化されてしまうのか、それともただ感傷的になっているだけなのか、全ての生徒がかわいく思えるし、残りの仕事も楽しくなってくる。
ほんのちょっと前までは、「もうすぐ辞めるんだと思うと、やる気がでない〜」なんて言っていたのに(笑)


やっぱりただ感傷的になっているだけかもしれないけど、でも私はこの仕事に就けて本当によかったと思う。
そしてこの学校で教えられて、本当によかったと思う。


インターナショナルスクールという特殊な場で日本語を教えられたことも。
母校に教師として戻ったことも。
生徒や保護者とぶつかって、後でびーびー泣いたことも。
授業準備や作文の添削に時間がかかって、徹夜同然で次の日登校したことも。
生徒に「お誕生日おめでとう!」ってペンをもらったことも。
「先生、辞めちゃうの?」って悲しそうな顔で訊かれたことも。


いろんなこと全てが、今の私につながっている。
日本語教師としての私。
そして一人の人間としての私。


しばらくこの仕事から離れてしまうのは、やはり少し淋しい。


でも、きっといつかまたチャンスはめぐってくると思う。
何かを学ぶ人の力になれることが、私は嬉しいのだから。
どんな形で力になれるかは分からないけど、その気持ちを大切にして、新たな一歩を踏み出そうと思う。


今日、卒業という節目を迎え、世界中に羽ばたいていく卒業生達を見ながら、そんなことを思った。